清一色の奥深さ

2020年05月25日

清一色はお好きですか?

とまぁ赤木晴子のようなことを聞いてみる。むしろ嫌いな人には理由を聞いてみたいくらい、私は清一色が好きな人間である。本質として平和や七対子や四暗刻の様に必要な形はあれど、必要な牌の種類が限られると言う手役を和了るという、逆境を乗り越えることに魅力を感じるわけである。
「いや、それなら国士無双とかもそうじゃん」と思った方。それはある種正しい。が、牌1種類につき4枚しか無い麻雀というゲームにおいて、4枚それぞれを別に計算する(つまりは、一萬4枚をそれぞれA.B.C.Dとおいて、同一牌姿においても使用牌一萬Aと一萬Bのパターンで別に考える)と、4人打ちの計算ではあるが、その和了の牌姿は四暗刻はおよそ21億、国士無双はおよそ13億という構成パターンがある中、清一色の牌姿は4.4億のパターンしか存在しないらしい。まぁ、何億パターンと言われてもピンとは来ないではあるし、そもそもこのパターンで言うなら4人打ち136牌において14枚取った牌姿パターンは3265億あるわけで笑

まぁ、箸休めとはいえ、4人打ちの話を何度も書くのは心が痛むので、草鹿三郎や海野十三の話をしようと思ったがもう止めておこう。これ以上この部分を掘り下げると頭が痛くなることだし。

さて、清一色の最高峰にあるのは恐らく九蓮宝燈だろうが、これは純正で組んだ場合に数牌が1から9までしか無いから9面張なだけで、理論上は0でも10でも和了れる。と言うのは私が大学生の時にJJのメンバーさんから教えてもらったことだ。当時スゲーってなったのを今でも印象深く覚えている。

9面張はその形しか無いのでむしろ形で理解している人も多いはず。では8面張になるとどうだろうか。たまに4枚使いでテンパって待ちが分からなくなる人がいるが、8面張も限られた牌姿しか存在しないことは意外と知られていない。
 8面張の清一色は、同色安牌あり(同じ色に通る牌がある)の形は2223456777に345か456あるいは1・8・9の暗刻がある形、あるいは3334567888に456か567あるいは1・2・9の暗刻がある形が比較的分かりやすい8面張であり(とは言えそもそも2223456777にせよ3334567888にせよ残りの1面子を同色で用意するかどうかでそもそも清一色ですら無くなる)、同色安牌無しの形は1112345666678、1233334567888、2333344567888、2344445678999、2223456777789、2223456677778の6つの計16である。前半の10パターンはまぁ鳴いて10センチの時に割と見る形であり、後半の6パターンも本質的には1番目と4番目・2番目と5番目・3番目と6番目は上下対称なだけで、またよく見ると1番目4番目は九蓮の1ないし9を筋牌にスライドした形であり、2番目3番目及び5番目6番目は端牌一枚を筋牌にスライドした形で構成されているのがわかる。

後半の6種は4枚使いの牌を除き同色牌が全てアタリになることから、中国では九蓮と共に張々可和(チャンチャンコーホー:全部和了れるの意)と呼ばれ奉られ、日本でもかつては準九蓮宝燈と呼ばれ、現在では八蓮宝燈と呼ばれる形である。

天牌70巻、146ページにおいて北岡静一が聴牌したのもこの同色安牌無し2番目の牌姿である(作中では幻の逆九蓮と呼称)

なお、同色安牌無しの形は7面張でも作ることができ、しかも2種類しかない。2344445666678 2333345677778の2つだ。もうお分かりだろうか、これらは九蓮宝燈の1・9暗刻を近い筋にスライドしている形(前者)と、遠い筋にスライドさせている形(後者)である。4枚使い2種以外は全てアタリで、こちらも七蓮宝燈と呼ばれる形である(と言うか逆九蓮と言うならむしろこちらじゃないか?「逆」感は明らかにこっちの方があるぞ.....)。
ちなみに、当然と言えば当然なのだが、七蓮も八蓮も、待ちの枚数は丸生きなら同じ23枚である。 これは純正九蓮と同じ待ちの枚数で、同色の全てがアタリなので出来る技である。


それにしても、張々可和とは夢のある言葉だ。雀士たるもの、全ての対局がそうでありたい。

 

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