中国役入門:第1章「基本中の基本」
さて、中国役の基本の前に、中国麻雀の基本から押さえておきたい。
日本麻雀においても3人打ちでは比較的採用されることがある花牌が、中国麻雀でも採用される。厳密に言えば花牌4枚と季節牌4枚の計8枚である。花牌とは「梅・蘭・菊・竹」の4種、季節牌とは「春・夏・秋・冬」の4種である。3人打ちで採用されるのは実際には季節牌なのだが、何故かそれらは花牌と呼ばれるのが普通だ(3人打ちをしたことのない人の為に説明すると、実際季節牌にも春夏秋冬の各文字は彫られているが意匠のメインは花であるのでさほど違和感は無いのが実情だ)。
また、栄和(ロン)・自摸和(ツモ)に関わらず、和了時の発声は「和(フー)」である。
あるいは、輪荘(局が回ること。これに対して局が続くことを連荘と言う)が絶対的ルールとして定められていて、親の連荘は存在しない。そして同じく一荘戦が基本(一荘戦とは東1局から北4局までの16局を戦うもの。これに対して南4局までのものは、一荘戦の半分であることから半荘戦と呼ぶ。半荘の由来って意外に知られてないよね)。
また、これは有名かも知れないが、フリテンがない。たった今自分がツモ切った牌で下家から和了れる(尤も、この行為は点数上損しかしないのだが、それについては後述)。その為、誰が切った牌かを日本麻雀ほど明確にする必要がないので、川がスゴいことになる。
で、あまり知られてないかつ、中国麻雀の尤も面白いルールが、暗槓は4枚全部伏せて行われる。そしてこの牌は局の終了時に初めて開示されるのである。いや、このルール面白いと思うのは俺だけだろうか。日本麻雀でたまにある『そこいないなら外そうかー』とか言って暗槓された牌の片張を外される、みたいなことが無いのである。つまりその局において何の牌が4枚無くなったかが終わるまで分からないのである。字牌かもしれないし、ど真ん中の5かもしれない。.....いや、このルールだけ明らかに面白いと思うんだが(まぁドラがないのでカンドラが増えたりとかはしないのだが、極端な話四槓(日本で言う四槓子)が暗槓で行われた場合、オール伏せ牌と言うことになるのである)。
また、自摸なら8点+手役の点数オール。栄和なら放銃者から8点+手役の点数、それ以外のものから8点貰える。このルールがあるから、先述のツモ切りからの下家からの出和了りは損しかしないのだ。
さらには中国では海底と嶺上が複合する。 えっ?と思った人は理解出来ていなかったのを今知るのだろうが、日本麻雀では海底と嶺上は複合しないのである。
どうだろうか。同じ牌を使うし、そもそも我々の知っている麻雀のルーツでありながら、まだ未知の面白さを感じないだろうか。
勿論、日本にあるのに中国には無いものもある。天和も地和も無いし、九蓮宝燈は純正以外は認められない。立直も無いし、二盃口も存在しない。
しかし、こんなことは中国役81種類の前では些事でしかないのだ。
- 役の説明が始められないまま終わるのも忍びないが、基本中の基本から覚えていただければ。